空間が“体験”に変わるとき ― ショールームとオフィスのその先へ

空間が“体験”に変わるとき ― ショールームとオフィスのその先へ
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最近、ありがたいことに立て続けにご相談いただいているのが、

  • ショールームや展示会の体験設計を見直したい
  • 共創やオープンイノベーションを促すオフィスをつくりたい

というお問い合わせです。

実際、弊社がこれまで携わってきたプロジェクトでも、「空間」は単なる箱や展示の場ではなく、「行動を引き出す体験のプラットフォーム」として再定義される場面が増えてきました。

たとえば、床と天井のしつらえが変わるだけでも、人はその空間から受ける印象が大きく変わります。空間とは、まさに「体験(UX: User Experience)」そのものなのです。

「オシャレ」だけでは人は動かない

ショールーム、オフィス、リフレッシュルームなど、内装を「オシャレ」にすることは、設計次第でいくらでも可能です。

しかし人は「慣れる」生き物です。

いくらデザインが今流行り風でも瞬間的には好印象であっても、それが長続きするかは疑問が残ります。流行りのデザインやスタイルは案外すぐに廃れてしまいます。洗練されているだけでは、人を新たな行動に移すことは難しいのです。特に、社員や社外の人とコミュニケーションを引き起こす空間にするには、単なるデザインや内装設計を超えた「心理と行動の設計」が求められます。

ショールームは「情報を伝える場」ではなく「価値に気づく場」へ

製品を見せる/技術を伝える場としてのショールームや展示会において、「伝えたいことが伝わらない」という課題は多くの企業で感じているようです。

私が支援した某メーカーのCEATECの展示ブースでは、ポスターや動画の見せ方だけでなく、

  • コンセプトとストーリー
  • 説明員のふるまいや話し方
  • VoC(来場者の声)の回収方法

まで含めてディレクション、支援しました。

その結果、展示会後のフィードバックや商談へのつながりに良い成果が上がったと伺っています。

重要なのは、「体験の全体設計」

製品スペックや動画だけでは伝わらない「なぜそれが価値なのか」を、空間・導線・人のふるまいすべてを使って気づかせる仕掛けが必要です。

よくある「何か質問ありますか?」というオープンクエスチョン、専門用語だらけでイメージがわかない説明・・・

これでは、気づきも生まれませんし、記憶にも残りません。コミュニケーション(対話)になっていないのです。

 

オフィスは「働く場」から「つながっていく場」へ

一方で、共創・協創を目指すオフィス空間を刷新しても

  • 共創のための空間をつくったのに使われない
  • 社員同士、社内外のコラボが生まれない

という悩みもよく耳にします。

私(ネオマデザイン)が大切にしているのは、コミュニケーションが自然と生まれる条件を設計することです。これは空間だけではなく、人、カルチャーも関係してきます。

  • 話しやすい雰囲気や空間環境
  • 雑談や声かけがしやすい仕掛けやゾーニング
  • 様々な人と出会い、話ができる、話せる環境づくり

こうした“空間 × 行動心理”の視点がなければ、共創はただのスローガンで終わってしまいます。

想像してください。シーンとした静かで緊張感があるオフィス空間で話ができますか?小さな声でも響いてしまう場所で、対話は生まれません。会議室の中だけになってしまいます。

参考コラム:「話したくなる空間」とは?

この点については、Spectrum Tokyo で私が執筆したコラム“話したくなる空間とはー喫煙室に学ぶ5つの要素”でも詳しく紹介しています。


話したくなる空間とは

話したくなる空間とは ― 喫煙室に学ぶ5つの要素
閉ざされた喫煙室で、なぜ自然に会話が生まれるのか?UX・行動心理の視点から分析した Spectrum Tokyo のコラム(河野寄稿)です。
👉 記事を読む

詳細はぜひコラムをご覧いただきたいのですが、喫煙室では「話したくなる、話しても良い」環境が絶妙に成り立っていました。国民性や個人の性格にもよりますが、「話しかけられるよりも話しかけること」のほうが心理的障壁が高く、そこには空間だけでなく、心理的なハードルを下げる工夫が必要である事もリサーチでわかりました。

つまり、物理的な空間設計だけでなく心理的な設計の両方が重要だということです。

 

共創の起点は、体験のデザインから

ネオマデザインでは、空間設計、UXデザイン、体験価値創出、コミュニケーション支援、デジタルサイネージ、社員の行動変容支援など、「人の心と行動が動き出す体験」をつくることを大切にしています。

ショールームも、オフィスも、展示会も、「つくって終わり」ではなく、「気づき、感じて、行動してもらう」ためのストーリーが必要です。

こんなお悩みありませんか?

  •  ショールームをもっと“伝わる場”にしたい
  • オフィスで共創を起こしたいが、どう設計すればいいかわからない
  • 社内外のコミュニケーションを活性化したい

そんなお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。👉 お問い合わせフォーム

空間、体験、マインドセット、行動心理、デザイン、コンテンツ。すべてを一体で設計できるのが、ネオマデザインの強みです。


Michinari Kohno

Neoma Design CEO, New Business Coordinator, UIUX Designer/Director, Beyond Experience Creator