DXに大事な3つのポイント 〜 間違ったDX推進を行わないために 〜

DXに大事な3つのポイント 〜 間違ったDX推進を行わないために 〜

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2021年になって “DX”, “DX推進しないといけないのだけど…” という言葉が耳に入るようになってきました。デジタルトランスフォーメーション (Digital Transformation)が DX の正確な言葉で、「デジタル技術を使った変革」を意味します。

単純にデジタル化、IT活用といっても色々やり方はあります。有名なところだと、印鑑はやめてデジタル署名などにしようという動きもあれば、紙に人手で記録するのをタブレットで行ったりする。FAXではなくメールやメッセージサービスなどを活用する、などなどです。現金ではなく、電子決済なんかもその1つになるでしょう。

国を含めてバズワードのようにDX, DXと言いだしたので大手も中小も皆「DX推進やらねば!」と勢いづくのはよいのですが、「とにかくデジタル化!」「収益化!」とトップが極端なゴール設定をしてしまい、戦略部隊や現場が「結局、なにすればいいんだろう」「こんなの押し付けて、余計仕事が増えたじゃないか」と混乱しはじめています。

とにかく目の前の “アナログ的な”, “人手で行っている” 仕事をデジタルにすればいいわけではありません。多くのITベンダーやソフトウェアベンダーが営業でやってきて「弊社のサービスを使えばDXになりますよ、効率アップです!」なんて言葉を信用して導入したとしても必ず成功するとは限りませんし、むしろ失敗することが目に見えています。

では、DXを行う重要なことはなんでしょうか?

DXに重要なポイントは以下の3つです。

①デジタルやITを目的化しない

②顧客・従業員・経営者の3視点で進める

③マインドセットと体験を認知する

それぞれ1つずつ説明します。

デジタルを目的化しない

まず大前提として、DXのゴール(目的)はオールデジタル化でもなければ、IT化でもないということを意識しましょう。

デジタルやITはあくまでも「道具」です。つまり「手段」であり「目的」ではないのです。

デジタル化すれば、業務やビジネスの変革(トランスフォーメーション)が起こるかというと必ずそうなるわけではありません。無理なデジタル化は、むしろ余計な仕事を産んだり、顧客の混乱を巻き起こしたりします。道具を使う側にいなければならないのに、気がつくと、道具に使われていた、というのはIT化の中でよく見るシーンです。しかしながら、ほとんどの会社・担当者は「デジタルツールを導入すればいいんだけど、どう導入するか、どこのがよいのか」ばかり考えています。

では、デジタル化やIT化が手段であるならば、DXの目的、ゴールはどうしたらいいのでしょうか?

DXのゴールはその意味にもあるように「ビジネスに変革をもたらす」がゴールです。

製品やサービスそのものに大きな変革がもたらされてもいいですし、顧客に対する更なるサービス向上や付加価値提供ができるようになっても良いです。一方で、従業員の負荷低減と作業時間節約になることで、余った時間で新規事業を考えることができるようになっても良いでしょう。

DXではデジタル化を目的にするのではなく、デジタルやITは手段・道具として考えましょう。そのためには、しっかりとしたビジョンやゴールを設定しましょう。

・新規事業創出の機会を増やし中長期戦略に貢献(社員の工数が削減できた)

・グループ連携による利益の拡大(他部署やグループ会社との連携がしやすくなった)

・人材教育(デジタルではできない、人ならではの部分の発見により後継者の育成領域がみえてきた)

顧客利便性の向上及び従業員の手間削減(顧客だけでなく働く人の手間を削減し皆が良い体験ができてきた)

かなり風呂敷を広げたビジョンやゴールにみえますが、トランスフォーメーション(変革)が目的です。このようなビジョンを掲げた上で、それらをしっかりと皆が理解した上での戦略立て・導入・実行・フォローが必要になってきます。

 

顧客・従業員・経営者の3視点で進める

DXを行って得する人、良くなって欲しい人はだれでしょう?経営者?従業員?顧客?業界によってそれぞれあるかと思いますが、正解は3者にとって良くなる必要がある、です。

DXは大抵がトップ・経営者からの勅命でやることが多いようです。よって、経営者にとって良いこと、つまり、業績があがる、利益が増える、従業員のリテラシーがあがるなどがあるかと思います。一方で従業員にとっては、押し付けられたデジタルツールやITで仕事が逆に増えることで、顧客対応が薄くなったりしては意味がありません。従業員にとってDXにより

「こんな便利なツールがあったんだ!これは仕事が捗る!」

と感じる体験になるのが理想です。その結果、仕事に余裕ができ、更なる工夫やアイデアを考える時間ができたり、他の部署との連携を自ら推進する、といったポジティブな活動を促進するようになればしめたものです。押し付けといて残業時間減るでしょ、ではダメなのです。

次に、店舗やサービス側の一方的なデジタル化・IT化によって顧客にそれを押し付けてしまうようになると、今度は顧客の体験価値(UX)が下がってしまう可能性があります。全ての顧客がスマートフォンなどを使いこなせるわけではありません。だからといって従来のような方法をいつまでも続けていると機会損失になってしまうだけでなく、効率も悪い。だとすると、その折衷案からまず考えつつ、徐々にデジタル化に倒して行く方法もあります。自動販売機を全てキャッシュレスにして(今の時点で)顧客が喜ぶと思いますか?

このように、DXは、経営者だけでなく、従業員の体験満足度(EX / Employee Experience)や顧客の体験満足度(UX / User Experience) も考えないといけません。つまり、会社経営者視点、従業員視点、顧客視点で考える必要があります。

これは、企業のブランド体験価値向上 (BX / Brand Experience) にも繋がります。BXについては下記のブログやサービス説明も一緒に御覧頂ければ幸いです。

UXの上位にあるBX (Brand Experience) ブランド体験創出とは

UX / CX / BX Planning and Creation

 

マインドセットと体験を認知する

DXに意志や考え方のマインドセットがなぜ必要なんでしょう?なぜ体験が必要なんでしょうか?

ここでひとつ質問です。

コロナ禍になり高齢者もスマートフォンを使うことが多くなっています。旧来の携帯電話からスマートフォン移行を促すのに政府や自治体などが強制的に「スマートフォンを使いましょう!安く配るので使ってください!」としただけでは、きっとこんなにはならなかったと思いますが、なぜ使うようになったのでしょうか?

Happy Asian senior Couple smiling and sitting on couch while using smartphone technology at their home.

1つの理由は「孫や子供とのコミュニケーションができ、楽しい・面白いという体験価値を知ったから」でしょう。頭ごなしに道具を押し付けても浸透しません。すぐに飽きられるか、使いにくいな、と思われて使われなくなります。DXはまさにそんな問題をはらんでいるのです。仕事だから強制的に使わせる!、それもいいのですが、それで効率が悪くなっていたり、社員や顧客の不満が溜まっていてもいいでしょうか?

このように、道具を上手く使うことをを浸透させるのであれば、そのマインドセット(考え方)と体験をしっかり使う人達に認知してもらうことが大事です。

どんな道具も使う人次第

なぜこの道具をつかうのか、それによってどんなことが起こるのか、どんな良いことがおこるのか。スポーツにおいても、新しい戦略手法(道具)をただもってくるだけでは勝てません。そもそもなぜその手法を持ってくる必要になったのかを理解し、その上で、その手法の良さや特徴をメンバー全員が知ってないと戦略は成功しません。

「何が出来るか」「道具を使うこと」ばかり伝えてはいけないのです。これは、弊社がセミナーや研修でも伝えている、技術とサービスばかり考えるのではなく、体験や価値観も一緒に考えようという話にも繋がります(図参考)。

まとめ

会社としては、何をどうやっていつまでにいくらでデジタルにするか、という How / What / When / How much を急ぎがちです。経営者やマネージャーにとってはそれが1つの進捗として見えてくるので仕方ないのですが、そこをいったんグッと我慢して、なぜやるのか?という Why からしっかり考える。そのためのビジョンとゴールを設定する。そしてメンバーの認識を合わせてから、実際に戦略にすすめるというトップダウンがDX戦略を成功に導くには必要です。

ネオマデザインでは、このようにDX(DX推進)に関わる戦略や悩み事に対して対応していきます。口でアドバイスをするだけでなく、一緒にDXを進めていきたいと考えています。なかなか外部から言われても実行までおこすには、会社やビジネスの現状把握からゴール設定など短期でやること、中期的に考えることなど多く、また、各社で様々です。一緒にDX推進ができればと考えております。

まずはお手軽にお声掛けください。業界問いません。


Michinari Kohno

Neoma Design CEO, New Business Coordinator, Beyond UX Creator, UI/UX Designer