デジタルサイネージジャパンでの講演を終えて…

デジタルサイネージジャパンでの講演を終えて…

幕張メッセで行われたデジタルサイネージジャパン2015に行ってきました。今回は視察だけではなく、パネリストとして登壇するためです。

お題は「最新施設に次々に導入される”案内するサイネージ”の可能性をUXのプロ達と考える」

弊社が参加しているデジタルサイネージコンソーシアムのUX部会からいくつかセミナー発表があり、御指名頂いたので登壇させていただくことになりました。このような機会を頂きましてUX部会の皆様、ありがとうございます。

 

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チェアのネクスウェイの小坂さん、ビズライトの三島さんは、サイネージをビジネスとして活躍されている方々です。そしてNTTの井原さんは私と似て研究所でUXやIT関連の研究開発をされており、実際に商店街などに導入するにあたって様々な試練(笑)を体験された方です。そして、UI/UX専門家でかつサイネージ業界も分かる人として弊社代表の河野の4名でのディスカッションになりました。それぞれが違うバックグラウンド、知見、経験があるなかでアテンドサイネージについて現状と今後を語る、楽しかったです。まだまだ議論足りないぐらいです。

詳しいセッション内容はここには記載しません。セミナーや視察でちょっと印象に残ったことやエッセンスを記載します。

まず、(アテンド)サイネージというのは、「なんとなく見られそうな場所に置いて、見せたい内容を動画で流したり、Webのコンテンツもってきてタッチパネル化しておく」というユーザー二番手のビジネスではもう成り立たないということです。コンテンツ・ロケーション・サービスオーナーなどが自分達の意向だけを押し込んでしまっては、ユーザーはついてきていません。空間やシステムにプラグイン的にサイネージを置いたからといって良くなるというのはもはや妄想です。

いくつかの小売店さんからこんなクレームを聞きました。

「サイネージいれたけど売り上げには全然つながらないし、むしろ邪魔っていわれた。雰囲気ぶちこわしとお客様にもいわれるし、電気の無駄使いと思い始めています」

サイネージが悪い印象をもたれてきはじめているのです。残念なことです。この現実を早く関係者全員が知り理解すべきでしょう。

そのためのUX(顧客体験)デザインです。

ユーザーに分かりやすい場所、安心して使えるシステム、さくさく動作するタッチパネル、欲しかった情報がすぐに見つかるコンテンツ、ミスマッチにならないようまく空間に溶け込むハードや表現。UX指標でちゃんと評価しながらサイネージを導入していく必要があります。指標には有名なPeterMorvilleのUXハニカム構造があります。セミナーでも冒頭で私が説明しました。これをいつも思い出しながら設計しましょう。PeterMorvilleのUXハニカム構造

3,4年ぶりにデジタルサイネージジャパンを視察しましたが、第一印象は「あまり進歩してなかった」です。

前職でもう5年も10年も前に企画しプロトしたシステム以下のものがどうどうと展示されていました。質問しても、「今の時代は機器連携だから。インタラクションするとおもしろいでしょ」とか根拠ない返答に残念な気持ちになりました。UIに関しても、関係者内でしっかりテストしたというベンダさんも居ましたが、色々聞くといわゆるユーザビリティテストのスキームとはほど遠いものでした。

もちろん、4k, 8k ディスプレイといったデバイスの進歩は確実にありますし、OLEDなど今後が期待される商品もありました。しかし、ユーザー体験として考えた場合のサイネージの進歩は思ったほどは感じませんでした。かつて前職で一緒にサイネージ業界にいた知人らも同じ感想を述べていましたから、そう感じたのは自分だけではなかったようです。

だから弊社では現状の課題をしっかり押さえたうえで、顧客価値が最大限になる空間/サービスが創れるはず、コンサルできるはず、とますますモチベーションがあがって帰ってきました。

ちゃんとユーザーや空間なども含めて面白いこと、役に立つことをしっかり考えたい、というメンバに出会えたのが一番の収穫です。「サイネージ=うさんくさいシステム」とならないよう頑張りたいですね。国もからんできていますし。

UXについてどう勉強するのか、については別途記載したいと思います。もちろん、弊社に個別相談したい方はぜひご連絡くださいませ。

余談)写真撮影して頂いたビズライトテクノロジー(戸嶋さん)のブログにはサイネージについて興味深い事が色々記載されているのでぜひ読んでみてくださいね。写真提供ありがとうございました。